新刊情報の見つけ方(2024年版)
今週はポッドキャストの配信はお休みです。
代わりにコラムを一つお送りします。
新刊の情報
本を買うためには、以下の二ステップを踏む必要があります。
本の存在を知る
買うかどうかを判断する
後者はわりと個人的技能というか経験に裏打ちされた直感という感じが強いのですが、前者はわりと仕組み的な話でまとめられます。
常態的に、新刊の情報をどう集めるか?
今回は、以下の三つの観点でネットでの情報入手方法を整理してみましょう。
人(売り手側)
人(書い手側)
自動アラート
人(売り手側)
まず人が発信する情報です。SNSでもブログでもポッドキャストでもYouTube番組でも、なんでも構いません。とりあえず、売り手側が発信する情報をチェックすることです。
この「売り手側」は幅広いですが、著者(あるいは著者の関係者)、出版社、書店が主要な要素で、そこに職業的書評家なども入ってきます。
自分が好きな著者や出版社(あるいは編集者)などをフォローしておけば、だいたい必要な情報は入ってきます。
ただし、この人たちは売り手側であり、その中には「売ることが得意な人」もいることは念頭に置いておく必要があります。簡単に言えば「買いたいという気持ちにさせるのが得意」なのです。
私は長年の経験から、(自分にとって)ハズレな本を買う確率をかなり低く留めておけるようになっていますが、SNSで話題の本を中身も見ずに予約注文して買う場合は、その確率が急激に上昇してしまうことは添えておきます。
人(買い手側)
こちらも人が発信する情報ですが、売り手側ではない点が特徴です。簡単に言えば、本をよく読む人。
こういう人の情報は、(選ぶ人さえ間違えなければ)たいへん質が高いです。なにせ面白くなかった本、箸にも棒にも掛からない本は言及すらされないわけで、発信されていることそれ自体が、フィルターを越えていることを意味します。
ですので、自分が面白いと思った本を面白いと評価している本読みの人は貴重な情報源です。
ただし「インフルエンサー」になってくると、ぐっと売り手側に距離が近づくので注意が必要です(無視せよというのではなく、受け取るときの心持ちを変えようということ)。
また、読書会などで紹介される本も同様のクオリティーが担保されていてグットです。しかも、ネットではあまり口にされない話も出てくるので、本選びの観点で参考になることも多いです(ある種の本の重みづけを減らす効果がある)。
とは言え、これは相性があるので簡単ではありません。少なくとも、人気ランキングのトップレビュアーを選んでおけばよい、ということはなく、レビュアーをレビューする営みは避けては通れません。
自動アラート
上記のような人が媒介する情報ではなく、単に機械的な情報も役立ちます。
ネットの書籍販売サイトでは「この著者をフォローする」などの機能があり、それを使うとわざわざ自分からチェックしなくても、メールなどで新刊情報を知らせてくれます。
あるいは、Googleアラートを使うことで、特定の著者やテーマについての新刊情報を追いかけることもできます。
こちらは玉石混交というか、圧倒的に石ばかりになるので、ざっと見て漏れがないかを確認する、くらいの使い方がよいでしょう。
リアルも良し
今回はネットを中心とした情報の取得方法を整理しましたが、もちろんリアルだって役立ちます。
というか、いくつかの書店の新刊コーナーを回るくらい面白い娯楽はない──というのはさすがに言い過ぎですが、それでも楽しい趣味であることは間違いありません。
というわけで、ネットで情報を集めつつも、どんどん書店に足を運びましょう。図書館の新入荷コーナーとかもきっと面白いです。