年末特別号「一年の読書を振り返ること」
いよいよ今年最後の配信となりました。
体調不良もあり、予定していた2025年の振り返り(後半)はまた次回にお送りします。
今回は、一年の読書を振り返ることについて考えてみます。
自分は一年どんな本を読んできたのか
ところで今年読んだ本を思い出すことってできますか。私は無理です。ぜんぜん無理。直近読んだ数冊や、めちゃくちゃ印象に残った本なら思い出せる気がしますが、実際はそれも思い込みです。
一年の読書記録を見返すと、思い出せて当然と思えるような本でもぜんぜん思い出せていなかったりします。つまり、記憶だけで行う「振り返り」は非常に穴が多いのです。
もちろん、思い出せなくても日常生活に支障はありません(支障はないから思い出せないとも言えます)。ただ、記憶は想起されるたびに(あるいは想起しようと努めるたびに)強固になるという経験則は間違いなくあります。
つまり、一年の読書の振り返りを行った場合とそうでない場合を比べると、前者の方がのちのちそれらの本を思い出せる確率が高まる、ということです。「本」についていろいろ語れるようになる上で、その確率はとても大切です。
よく「本を読んだけども、数カ月も経つとぜんぜん内容を思い出せなくて」と自嘲気味に語られることがありますが、もちろんそれが普通であって、むしろ思い出せない状態から思い出そうする中で中身を確認するなどして記憶を強固にする手当てをしてはじめて「思い出せる」ようになるという構図が実態に近しいでしょう。
一年の終わりという節目において、読んだ本を振り返ることはそのような記憶の手当てだと言えるかもしれません。
ただ見返すだけでなく
とは言え、漫然と記録を見返すのも退屈なものです。目的がないと注意の矛先が定まりません。
そうしたときに「今年読んで一番面白かった本は何だろうか」のような”問題”を設定すると、うまくいく場合が多いです。そのような問題意識があれば、それぞれの本の内容について思いを馳せることが促されます。
もちろん、違った”問題”でも構いません。トップ10を選んだり、ジャンルごとのトップを選んだりとお好みでOKです。どういう問題であれ、その本の内容を想起せざるを得ない状況を整えればいいわけです。
さらに言えば、”問題”に適切に答えられなくても大丈夫です。いろいろ考えた結果、一番面白かった本が三冊になってもいいのです。大切なのは、その「いろいろ考える」というプロセスなのですから。
さらに、そうして出た答えを読書会で語るなり、記事に書くなり、SNSに投稿するなりすれば、より詳細度は高まるでしょう。人に見せるのが嫌ならばざっと手帳やノートや日記に書いておくのも手です。
なんにせよ、これらを一種の「ゲーム」のように楽しむがポイントです。”問題”を試験のレイヤーではなくゲームのレイヤーで処理すること。これが何かを効果的に続ける際のポイントかもしれません。
すべては記録からはじまる
以上のような振り返りは、もちろん「記録」があってこそです。記録がなければ、手当てとしては非常に弱いものになります。
たいそうな記録でなくてもいいのです。それこそ日付と読了日だけでも十分です。それくらいであれば、デジタル・アナログ問わず実践できるでしょう。
(以下は倉下の実際の記録)
特定のハッシュタグをつけてSNSに読んだ本を投稿するだけでも記録になります。デイリーノートに書いてもいいです。読書記録に特化したものでなくても、振り返りの役には立ちます。
NotionやObsidianのbases機能を使えば、かっちょいいデーターベースが作れて、振り返りもワクワクした気持ちで行えそうな気もしますが、実際のところはどうかわかりません。(冊数にも依りますが)案外手書きのノートの方が味があって振り返りを楽しめる可能性もあります。そのあたりは、実際にやってみて感触を確かめるしかないでしょう。
ともかく、自分が続けやすい形で、わずかであってもいいので「読書」を記録していくこと。私がお勧めできるたった一つの方法です。もちろん、鍵括弧の中に別の言葉を入れても成立することは言うまでもありません。



