『読書会の教室 本がつなげる新たな出会い 参加・開催・運営の方法』
今回は、この本をきっかけにして「読書」や「読書会」についてさまざまに考えてみました。
書誌情報
著者:竹田信弥
双子のライオン堂店主
文芸誌『しししし』編集長
8年間で500回の以上の読書会を主宰
著者:田中佳祐
ライター、ボードゲームプロデューサー
共著『街灯りとしての本屋 11書店に聞く、お店のはじめ方・つづけ方』
出版社:晶文社 (2021/12/21)
ISBN:479497289X
目次
はじめに
第1章 読書会とは?
第2章 読書会にはどんな種類がある?
コラム はじめての海外文学(谷澤茜)
第3章 読書会に参加するには?
コラム ビブリオバトルとは他人に本を探してもらうことである(岡野裕行)
第4章 読書会を開催・運営するには?
コラム ビブリオバトル必勝法(安村正也)
◇なぜ読書会を開くのか?──主催者に聞く!
◇読書会では何が起きているか?──紙上の読書会
◇読書と読書会について本気出して考えてみた
付録 必携・読書会ノート──コピーして活用しよう
おわりに
概要
読書会に興味がある人に向けて、そもそも読書会とは何か、どんな種類の読書会があるのかを解説し、その上で参加者としての注意点や主催者として気をつけた方がよいポイントなどがまとめられている。
「二人いればもう読書会」という言葉も登場するが、本を読むことを題材とした集まりならばひろく「読書会」と言える。では、その読書会の魅力とは何か。
倉下らの活動を振り返っても、いくつかの点を列挙できる。
自分が読んだ本について、自分以外の視点に触れられる
自分が見つけられないような本と出会える
自分だけでは興味を持たなかった本に興味を持てる
本を読む動機づけになる
他の人に説明しようとする中で、その本の理解が深まる
これらは一人の人間に内在する「読む」という行為をより豊かにしてくれるものだと言える。読書は基本的に孤独な行為だが、それだけで終わるものではない、ということだ。
『目の見えない人は世界をどう見ているのか (光文社新書)』の中で紹介されている「ソーシャル・ビュー」は、そのような豊かさを別の視点から説明してくれる例である(この本もたいへん面白い)。
「本」は、お題になり、触媒になり、テーブルになってくれる。一つの「場」を生み出すきっかけとなる。そこで生み出される交流は、殺伐としがちなインターネットの交流をも変えてくれるのかもしれない。
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