今回は大きく二部構成です。
先日新書大賞2026を授賞した『カウンセリングとは何か』の紹介をメインとし、その前段階として著者の東畑開人さんの著作を紹介します。
著作リスト
『美と深層心理学』(京都大学学術出版会、2012年)
『野の医者は笑う』(誠信書房、2015年)→文春文庫
『日本のありふれた心理療法―ローカルな日常臨床のための心理学と医療人類学』(誠信書房、2017年)
『居るのはつらいよ―ケアとセラピーについての覚書』(医学書院、2019年)
『心はどこへ消えた?』(文藝春秋、2021年)
『なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない』(新潮社、2022年)
『聞く技術 聞いてもらう技術 (ちくま新書 1686)』(ちくま新書、2022年)
『ふつうの相談』(金剛出版、2023年)
・ブックカタリスト(BC072『ふつうの相談』/Sep 12, 2023)で紹介した
『雨の日の心理学 こころのケアがはじまったら』(KADOKAWA、2024年)
『カウンセリングとは何か 変化するということ』(講談社現代新書、2025年)
(wikipediaを参考に作成しました)
『野の医者は笑う』は人文的読み物として、『なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない』は(ある種の)自己啓発的読み物として、『聞く技術 聞いてもらう技術 (ちくま新書 1686)』は(ある種の)ノウハウ本として楽しめると思います。
でもって、これらの著作の集大成的雰囲気をまとっているのが『カウンセリングとは何か』です。
カウンセリングとは何か
本書は、実直に「カウンセリングとは何か」を説明してくれる本です。
新書なので一般向けの内容であり、カウンセリングという専門分野に興味を持っている人と共に、これから(ユーザーとして)カウンセリングを利用しようと思っている人にも、「こういうことを、やっているのです」とガイドしてくれています。
どちらの意味においても、「カウンセリング」と親しくなれる本だと思います。
ポッドキャスト本編では足早に第二章までの内容と、第三章のさわりを紹介しました。でもって、私が特に重要だと感じたのが、カウンセリングの専門性はどこにあるのか、という点です。
答えは、アセスメント。
単純な”知識”だけならばインターネットで(あるいは生成AI)で手に入る環境において、ユーザーの状態・状況を観察し、分析した上で、適切な方法を考えること。さらに、その内容を相手に共有し、進め方を一緒に考えていくこと。そのような臨床的・現場的・実践的な技術があるからこそ、専門家は専門家足りえてるのだとしたら、私たちはあらためて専門家の価値を再認識する必要があるでしょう。「知識」があればいいというものではないのです(もちろん、知識がなければ成立すらしないわけですが)。
本書を読んでさまざまなことを学び、考えましたがましたが、広い意味での知識労働者において大切な姿勢を一番深く受け取ったかもしれません。
(収録時に使ったメモはこちらからご覧いただけます)











