今回は、ごりゅごがブックカタリストで紹介した本の中で最も分厚い本。Amazonの表記では697ページにもなる極太本でした。(片手で本が開けない厚さ。ちなみに独学大全は1064ページ)
とは言っても、内容とか概念とかがすごく難しいというわけではなく、著者が言いたいことを全部盛り込んだら、何だかこんな分厚い本になってしまったぞ、というようなイメージで、正直「もうちょっとスリムにできるはず」だとは感じています。(本編でも語っているが、終盤はかなり蛇足感漂っていて、ほとんど飛ばし読みだった)
序盤と終盤はわりと「かったるい」と感じた部分があるのは事実ですが、それでもやっぱりブックカタリストできちんと紹介したくなるくらい面白い本で、ごりゅごの「哲学と心理学と脳神経科学」の3つの視点から「こころ」に関する本をいろいろ読み始めるきっかけになった本でもあります。
構成主義的情動理論
本書で語られている内容を簡単に説明するならば、我々には「怒り」「悲しみ」なんていう本質論的な感情などというものは存在せず、脳の様々な反応を元に、後天的に学習した「情動」に当てはめているだけだ、という主張と、それに付随する情動の制御のコツなどが語られたもの。
情動はそこに「ある」のではなく「構成」されるものである、という話です。
そして、情動というものが後天的なものだからこそ、学習によって情動の解像度は高めることができ、解像度が高まるとこんないいことがあるぞ、というところまで話が広がっていくところが実用的な意味でも興味深いものでした。
実際のところ、ごりゅごはこの本を読んでから、可能な限り感情、情動を言語化するということを意識するようになっており、それによって日ごろの日記なども少しずつ書く内容が変化してきています。
BC030『パーソナリティを科学する』とも通じる内容ですが、人間の性格、特性は「いきなり大きくは変わらないけれどある程度コントロールできる」という点は希望が持てるところで、心のケアのような観点からも役に立つ本でした。
また、ブックカタリストサポーターの方向けに、今回の配信に使用した台本(PDF)を同時にお送りしています。
あくまでも「俺用メモ」なので、きちんと見せられる品質のものではありませんが、ごりゅごは基本的にこれだけを見て喋っています。(引用一つ一つは個別のObsidianのノートになっていて、カーソルを合わせると中身がポップアップする、という仕組み)
へー、こういうの見ながら喋ってるんだっていう感じで、一つメタな視点でPodcastを楽しむのにご活用ください。(台本は存在していますが、耳で聞いて楽しんでもらうことを前提にしています。台本など見なくてもちゃんと楽しめるはず、です)
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