『はたらくiPad いつもの仕事のこんな場面で』(五藤 晴菜)
ゲストは、五藤晴菜さん。
Twitter:@haruna1221
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YouTubeチャンネル:ごりゅごcast
書誌情報
発売日:2022/9/13
出版社:インプレス
目次
Chapter0 Introduction
Chapter1 iPad でアイデアを出す
Chapter2 iPadで企画書作成のヒント
Chapter3 iPadで会議を制する
Chapter4 iPadでプレゼン攻略
Chapter5 iPadで時間・タスク・データ管理
内容と特徴
iPadの取り扱い説明書ではなく、特定のアプリの解説書でもない、これまでに無かったタイプのiPad本。
実際の仕事のシチュエーションを想定し、それぞれの場面でどのようにiPadが「活きる」のかを紹介してくれる。具体的なTipsよりは、「どうiPadを使うのか」という考え方を提示してくれる点が特徴と言える。
仕事と手書きとiPad
どのくらいの人が所有しているかはわかりませんが、それでもiPadは「なんとなく欲しい」ガジェットの一つです。どういう用途で使うのかは具体的にイメージできないけども、なんかあると良さそう。そんな感覚がするガジェットなのです。
そんな感覚のままiPadを購入すると、だいたいは「高性能ビュアー」がその居場所となります。なんといっても、便利でちょうどよいサイズ感なのです。動画を見る、PDFを読む、SNSをしながらゲームをする。高性能なスペックが、心地よい体験をもたらしてくれます。
これは別に悪いことではありません。むしろ、純粋なiPadの使い方と言えるでしょう。つまり、「iPad単体の使い方」としては自然なものなのです。
変化が生まれるのは、そこに「外付けキーボード」か「Apple Pencil 2」が加わったときです。そうしたとき、iPadは仕事道具に生まれ変わります。
「外付けキーボード」を使えば、iPadはグッとパソコンに近づきます。文章入力をするための装置に化けるのです。さまざまな資料を参照しながら書くような文章は、画面を二つに分けられるiPadは──iPhoneと比べれば──非常に作成しやすいでしょう。パソコンに完全に並ぶほどではなくても、メールやら報告書といったものであれば、悠々と入力できます。
一方で、「Apple Pencil 2」を使えば、iPadはデジタル文房具へと変身します。デジタルノート、あるいはデジタル手帳としての存在感が生まれはじめるのです。
こちらの変化は、「外付けキーボード」によるミニ・パソコン化よりもはるかに強力です。なぜなら、ミニ・パソコンは機能の劣化が多少あるわけですが、デジタル文房具は、むしろアナログ文房具の強力版だからです。
やり直しができる
コピー&ペーストができる
テキストとして認識してくれる(なので検索できる)
共有や送信がそのままできる
アナログの文房具では不可能だったり、手間がかかりすぎていた行為が、iPadなら一気に簡単になります。
でもって、そうやって仕事で活躍する文房具は、趣味の文房具とは違って「使えればそれでいい」ところがあります。実用性が最優先事項なのです。
*もちろん、仕事の文房具に趣味を持ち込んではいけない、という話ではありません。
その意味で、仕事におけるデジタル文房具としてのiPadは過不足がないどころか、一番良い働きをしてくれるとすら言えます。特に、普段仕事で手書き作業をよく行っているならばなおさらです。
私も、仕事でよく手書きのメモを作っていますが、iPad Air + Apple Pencil 2 を導入して以降は、その比率がデジタルにかなり傾きました。iPad : アナログノート が 7:3 や 8:2 くらいになっています。むしろ「広い画面を一覧したい」という欲求がない場合は、ほとんどiPadを使っていると言ってもいいかもしれません。
もちろん、私はデザイナーではないので、今日突然iPadが世界から消滅しても大きく困ることはありません。それよりも、MacOSとキーボードが消える方がはるかに困ります。
それでも、この iPad + Apple Pencil 2 による「デジタル手書き体験」は、ずいぶんと大きいインパクトを持っています。世界が変わった感覚があるのです。合わせて言えば、私のように字が汚い人ほど──手軽に直したり、整形できるので──デジタル文房具の恩恵は大きいでしょう。
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