今回は、jMatsuzaki さんをゲストにお迎えして、新刊『先送り0(ゼロ)―「今日もできなかった」から抜け出す[1日3分!]最強時間術』についてお話をうかがいました。
書誌情報
出版社
技術評論社
出版日
2024/2/24
著者
jMatsuzaki
1986年生まれ。クラウドサービス「TaskChute Cloud」開発者。jMatsuzaki株式会社 /jMatsuzaki Deutschland UG代表取締役。一般社団法人タスクシュート協会 理事。
システム系の専門学校を卒業後、システムエンジニアとして6年半の会社員生活を経て独立。会社員時代にjMatsuzakiの名で始めたブログが「熱くて有益」と人気を博し、最高で月間80万PVに達する。現在は会社経営のかたわら、サービス開発や執筆、講演活動をしている。2018年よりドイツ在住。
◇TaskChute Cloud by jMatsuzaki Inc
佐々木正悟
目次
序章 時間に追われ、先送り癖に悩まされている人へ
第1章 先送りゼロを習慣化するための3つのルール
第2章 先送りゼロを支えるメソッド「タスクシュート」
第3章 先送りゼロを実現するシステムの全容
第4章 スモールスタートで先送りゼロの成功体験を重ねる
第5章 先送りゼロを実現する考え方のポイント
第6章 長続きする習慣を支えるログの活用法
第7章 複数のタスクからなるプロジェクトで先送りゼロを実現するには
第8章 うまくいかないときのために
「タスクシュート」というメソッドに入門するための一冊ではありますが、その道のりの先には「時間の使い方=生き方」の変化が見据えられています。
その「タスクシュート」はかなり偏った印象で捉えられることが多いメソッドなのですが、そこに含まれる有用なコンセプトを、より広く受け入れてもらえるように本書ではさまざまな工夫がほどこされています。そうした工夫は、陥りやすい挫折をケアしてくれるでしょう。
また、これはタスクシュートに限ったことではありませんが、タスク管理的な行為を行うときに、当人の「完璧主義」「理想主義」が暴走している状態では、何をどうやってもうまくいくことはありません、この場合の「うまくいく」とは、結果に納得できる、満足感や幸福感を得られるというような意味です。
たしかに作業はたくさんこなせるようになったけども、常に焦りの気持ちを覚えているというのでは、「成功」とは言えないでしょう。本書はそうした焦りに対する処方せんも与えてくれます。
その意味で、本書の「先送りゼロ」とは、物事を後回しにすることが何一つ起こらない状態というよりも、「先送りしてしまった」という感覚が生みだす罪悪感や自責の念をゼロにできる状態、という方が近しいでしょう。先送りを繰り返すことで発生する、自分の心への攻撃を止めることが大切なわけです。
もちろん、たとえ1分であっても何かしら着手することは物事を確実に前に進めるわけですから、実際的(あるいは能率的)な意味でも効果があると言えます。
ちなみに、本書で提示される三つのルールは以下。
1日の初めに今日やることを決める
1日の終わりにその中で先送りしたものの数を数える
1分でも手をつけたら「先送り」とはしない
ばかばかしいと思われるかもしれませんが、これはかなり有効です。『ロギング仕事術』もルール自体は違うものの、似たコンセプト(実際にやったことを重視する)を持っていると言えます。すべてはログ/ノートからはじまるのです。
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