面白かった本について語るPoadcast、ブックカタリスト。
今回は、『熟達論:人はいつまでも学び、成長できる』について語りました。
この本は、「デジタルノートの熟達」というごりゅごが今ずっと考えているテーマに見事に刺さるものでした。
これは思いっきり自分に引きつけた話になるんですが、なにかを「練習して身に付ける」ことの大切さというのは、スポーツや芸術に限った話ではない、というのを改めて感じました。
最近はずっとObsidianというデジタルノートを「どうやって役立たせるか」ということばかり考えてるんですが、それも結局ある程度は練習して身に付けるしかない。
そして本で書かれていた5つの習熟の段階というのは、人になにかを教える時の手順においても参考になる本でした。
結局、大事なのは一番最初の「遊ぶ」部分。
どんな技能にしても、これができるかどうか。その部分こそが「才能」という言葉で適当に誤魔化されてしまっている、熟達の本質なんだろうな、ということを思った次第です。
以下、要約です。
今回の本
第94回のテーマ:『熟達論:人はいつまでも学び成長できる』
タメスエ大さん著の本を取り上げる
あいさつと前回の話題に関する余談
前回の余談:旅行の荷物準備の楽しさ
Twitterでリスナーが「旅行の荷物を準備するのが楽しい」と共感
「過不足なく荷物が足りたことが嬉しい」
部屋の整理には興味がない
パーソナリティたちの反応
情熱の方向性は個人差があるが、共通点も存在する
1000人に1人くらいは同じ趣味を持つ人がいるかもしれない
旅行荷物準備のコミュニティについての話
アメリカの巨大掲示板「Reddit」にも関連するコミュニティがあるかもしれない
「旅行の荷物準備」に関心を持つ人はもっと多いかもしれない
本の紹介
『熟達論』は2023年7月に新潮社から出版
タメスエ大さんの背景
陸上選手として400mハードルで世界選手権メダリスト
一般的な競技者とは異なるアプローチを取ってきた
引退後、競技や熟達に関する知識をまとめた本を書いた
本の内容とその共感部分
学びの方法が頭だけでなく身体でも覚えることに重点を置いている
自分の経験や取り組みに重なる部分が多い
例:アトミックシンキングやデジタルノートの使い方
学びの方法が学校の試験以外の生活全般に応用できる
熟達論の5段階
遊
主体的に行う、面白さが伴う、不規則である
例:設定をいじる、いろんなボタンをクリックするなど
最初に基本を教えるよりもまずは「遊ぶ」ことが大事
型
基本の型を覚える
例:片足で立つ、デイリーノートに何でも書く
シンプルで検証が多分視されず、効果が期待されすぎない
型を覚えた上で試行錯誤を重ねる
型が良いか悪いかを見極めるポイント
シンプルではないこと
検証が多分視されていること
効果が期待されすぎていること
観
観察し、パターンを見出す
量をこなすことで行動の境目やパターンが見えてくる
自分にとって役立つものや不要なものが分かるようになる
分ける行為に必ず取りこぼしがある
完璧を目指さず、試行錯誤を続けることが重要
心
中心を知り、それを基に冒険ができる
基準があることで冒険ができる
例:手足の動きが中心に支えられる
個別性が重要であり、全員に同じ最良の方法は存在しない
空
無心になり、行為のみがある状態
考えずに身体が勝手に動く
時の流れが違うように感じる
思い込みの中でしか思考できないことを自覚する
勘を尊重する
行為のみがある状態は仏教的なニュアンス
その他のポイント
苦しいことと成果が結びつかないこと
効率の良い練習が重要
努力が報われるとは限らない
言われた通りにやるだけでは止まってしまう
自分の個別性を考慮することが大切
練習時間よりも集中の濃淡とリズムが大事
量より質が重要
環境を整えることも練習の一環
人間の特性として環境に適応する力が強い
イメージによる動作の導き方
例:ハードルを飛ぶときのイメージ
著者の思い
宮本武蔵の『五輪書』の現代版を目指したい
競争と学びの違い
競争は勝ち負けがあるが、学びは全ての人に開かれている
学びを娯楽化することが熟達への道
学びを楽しむことが最も重要
今回出てきた本はこちらで紹介しています。
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