面白かった本について語るPodcastブックカタリスト。第14回の本日は『How to Take Smart Notes』について語ります。
今回の本は、デジタルガーデン、エバーグリーンノートなど、最近ごりゅごが注目している新しいデジタルノートの手法に大きく影響を与えた、と言われている2017年の書籍。
日本語版がなく、DeepLと一緒になって苦労しながら読んだ本でした。
なぜ書くか どうやって書くか どういう事を書くか
この本を一言で説明するならば「書く」ことについての本。
書くことにどんな効果があるのか。それによってどんなメリットがあるのか。どういうことを書いたらいいのか。
それらについてひたすらに掘り下げた本で、ある意味では前回紹介した『Learn Better』の「ノート特化本」とも言えます。
BC011 『Learn Better ― 頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ』 - ブックカタリスト
また、あえて別のタイトルをつけるのならば『ニクラス・ルーマンのノート術』
38冊の本と数百の論文を書いた社会学者ニクラス・ルーマンの「Zettelkasten(本書ではスリップボックスと呼ばれる)」という手法について徹底的に解説した本、という見方もできます。
書くことは「勘違い」されている
本書冒頭では、まず「書く」という行為の前提条件から話が始まります。
世の中は「書く」ということを見下しすぎており、同時に「書く」ということを神聖視しすぎている。
ノートを書くということはスキルが必要な「高度な行為」であるにも関わらず、書くということについて論じた本は少ない。
また、小説や本の書き方などが議論になることはあっても、普段のノートについて書かれた本はほとんどない。
そして、これらの本というのは、いつも必ず「白紙の状態」から本を書く、ということになっている。
まず、この前提条件がおかしい。
書くということは、白紙からスタートするものではない、というところから話が始まります。
その上で、書くということをはどういう効果があるのか、なぜ書くのか。そしてそれを「習慣にする」ことがいかに重要なのか、ということをひたすらに論じているのがこの本のほぼ全て。
本の影響で6章までの読書メモを作り直した
ちなみにごりゅごは、主にこの本の影響を受けて、6章くらいまでの読書メモを一旦放棄。
引用ばかりだった6章までの読書メモは、もう1回その部分を読みなおし、読書メモを「自分の言葉で書きなおす」ということをやりました。
自分の言葉で書くことがいかに重要なのか、という本を読んでいるくせに、ブックカタリストのようの読書メモが「引用」になっていてはなんの意味もないだろう。
そう思ってやり直してみたんですが、改めて「自分の言葉で」「書く」ということがいかに読書や学習で重要なのかということを痛感させられました。
(これだけでも、この本を読んだ価値はあったと言える)
まとめ
ノートの効能などの詳細まではここで触れませんが、ごりゅごが重要だと感じたことは以下の3点。
自分の言葉でノートを書く
それだけ読んでわかるように書く
ちょっとずつ進める(習慣にする)
正直、1冊の本としての構成は非常にごちゃごちゃでわかりにくいです。
これは、本に書かれていることが難解というわけではなく、ただ単純に構成が悪いとしか思えないもの。
また、書かれている英語も(著者がドイツ圏の人だからか)非常に理解しづらい部分が多く、そういった意味でもなかなかに読むのに骨が折れる本でした。
ただ、ごりゅごは確かに間違いなくこの本からも大きく影響を受けてるんですよね。
『Learn Better』と同じく、読み終えてノートにまとめていくうちに『How to Take Smart Notes』の評価は上がってきています。
この本のおかげで自分がまとめるノートというものは「よくなった」と実感しているし、ノートの書き方というものが1段階上のレベルに到達できたような感じはします。
本当にこの本が素晴らしいのかと言われると悩ましいところで「わかりにくいものを苦労しながら読んだ」おかげで多くのものが得られた、と考えることもできてしまいます。
仮にそうだったとしても、それはそれで「独学テキスト」として素晴らしいものだったということもできるわけで、やっぱりいい本だったという結論になるのかな。
好きか嫌いかの意見は分かれそうですが、たくさんの影響を受けた、ということだけは間違いないものになりそうです。