本編では、『ピダハン―― 「言語本能」を超える文化と世界観』と『ムラブリ 文字も暦も持たない狩猟採集民から言語学者が教わったこと』を取り上げました。
言葉と思考とサードプレイス
考えてみると、私たちが何かの言葉を使える(使っている)とはどういうことなのかは面白い問題です。
ジョン・サールの中国語の部屋で考えれば、AをBに転写できるなら、つまり関数XにAが入力されたときBが適切に出力されるならば、言語での応答が成立しているように思われるわけですが、しかしそのような言語観では、言語が持つパワフルさはまったくイメージされないでしょう。
私たちはコミュニケーションのために(もっと言えば有効な社会関係を構築するために)言葉を覚えるわけですが、それは情報交換であるととともに、「これはこういうものだ」というメッセージを伝え…
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