BC001 『ダーウィン・エコノミー』

  
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面白かった本について語るPodcast ブックカタリスト第1回

今回は、ダーウィン・エコノミーという本について語ります。

概要

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  • 日経BP (2018/3/23)(オリジナルは、2011年に執筆されている)

  • 購入日:190106

  • 著者:ロバート・H・フランク 若林茂樹 (翻訳)

  • 価格:2000円

■昔のほうが、生活は豊かだった。社会の中間層には経済的活力があり、社会インフラはきちんとメンテナンスされていた。だが、その後何十年にもわたって経済成長率は大きく鈍り、中間層の時間当たり賃金は減少する一方で、CEOの賃金は10倍になった。富の格差は広がる一方だ。

■「経済学の父」とされるアダム・スミスは、自由な市場はすべての人にとっての最善を生み出すと考えた。だが、現実世界を見回すとスミスの「見えざる手」が機能していないように思える。むしろ、ダーウィンが観察したように、個々の動物の利益と、種としての大きな利益は深刻に対立している。

■このダーウィンの観察を、経済に応用したら、どんな世界が見えるだろうか。個人の利益と、社会全体の利益は、どうやってバランスさせればよいのだろうか。格差、教育、公共投資、貧困といった諸問題に対し、人気経済学者が解決策を提示する。

要約

中流階級は相対的に貧乏になり、政府は意義あることにお金を使わなければならない。

現在の最適解は税金が最も高い価値を生む政府を作ることであるが、そのためにどういう手法があるか。

ダーウィンの進化論を元に、方法について考える。

まず知っておくべきは、物事の多くは相対的な関係で決まる、ということ。

この相対的な関係から起こる事象に規制をしないと、結局全員が不幸になってしまう。

また、個の進化は全体の最適化に結びつかないことがあるので、そういう場合に規制が重要になる。

例:ホッケー選手はヘルメットをつけない

規制のポイントは相対的な関係への過剰な投資をやめさせることと、有害な活動に対する課税である。

これが結果的に全体の幸福を生む。

🐷コメント

著者は、とにかくリバタリアンを嫌っている印象が強い。リバタリアニズムが強い人は反発を覚える可能性あり。

今回最も「役に立ちそう」な言葉は「地位財」「非地位財」というもの。

地位財は「相対的なもの」で、結果的に(一般人には)幸福に結びつけることが難しい。

書籍では「地位性が強いものほど多く課税すべきだ」という累進的消費税、という概念が述べられていたが、個人的には自分の消費行動においてこの「地位財」「非地位財」という観点で見直してみると「コスパ良く」幸福に繋げられるように感じた。

読んでみて、5〜6章あたりが大変に難しかった。(通読に加え、複数回読み返してようやく大筋が掴めた)

そして最終盤、11章での「効率的な課税による解決策」が最も楽しく読めた。